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Sonyの新しいAR技術「SmartAR」の発表会に行ってきました

今日プレスリリースになった,Sonyの新しいAR技術「SmartAR」の発表会に行ってきました.
Sony Japan | ニュースリリース | 統合型 拡張現実感 技術 “SmartAR(スマートAR)”を開発

SmartARはどんなものか

SmartARはマーカレスのAR技術です.厳密に言うと,事前情報ありのマーカレスARと,事前情報なしのマーカレスARを組み合わせたものです.メニューや看板などを画像認識して,そこに情報を重畳表示できます.そこに,QRIOなどのロボット研究で培った空間計測技術(いわゆるSLAM)を組み合わせて,認識可能物体がフレームから外れても,連続してCGの合成表示を行えるように工夫されています.また,高速かつ安定して認識できるようになっています.

体験デモいろいろ


お店のドアを撮影すると,その店の噂(Twitterのタイムライン)が入り口にはめ込まれて表示される.



展示品のカメラを撮影すると,そのカメラに関する情報が出てくる(実際は下にある写真を認識).カメラにワイヤフレームが重畳されるのはベタだけど,やはりかっこいい.



ブティックに飾ってある服を撮影すると,ファッションモデルがそれを着た写真などをたくさん見れる.



カフェのメニューを撮影すると,より詳しい情報が見れる.



「ちょっといじめてみてもいいですかw」と失礼して,急な角度に傾けて,認識の安定性をみさせてもらったのですが,なかなか良好でした.


いまのところ認識できるのは平面物体に限るようでしたが,今回のデモのように,服を壁にかけて平面物体にしたり,立体物の近くにさりげなくリファレンスとなる印刷物(写真とか)を置いておいてその相対位置情報を利用する,などいくらでも工夫のしようはありますね.あと,インタフェース的に,「対象物が認識された状態でタッチすると画面が静止するので,ずっとかざしたままにしなくてもいい」とケアされてたのがよかったですね(こう書くとあたりまえじゃねーかと思うかもしれませんが,意外と大事なとこなのです).


あと,ちょっと気になったのは,こういうコンテンツを誰がどうやって作るかってことですね.「このカフェのドアに情報をはめ込む」みたいなガチガチにその場所オンリーで稼働するARコンテンツをオーサリングするツールってまだろくに整備されてないと思います.結局のところ,専門職のデザイナやプログラマがよってたかって作ることになるんだと思いますが,理想的には,カフェのオーナーが「ブログはじめちゃいました」とかやるような感覚でコンテンツが作れるといいんですけどね.「ARはじめちゃいました」みたいな感じで.

まさかのお宝

最後にARの研究をやってる人がニヤニヤできるお宝をご紹介します.


「ARの父」こと暦本先生が作った世界初のモバイルAR端末「Navicam」の実機展示がありました.震災で中止になったインタラクション2011での幻の展示がここで実現とのこと.御神体じゃ〜 ありがたやありがたや〜



暦本先生と,クウジット社長の末吉さんらが昔ブレストしたときに描いたという貴重なスケッチ(ゼロ年代初頭?)



伝説の名機・VAIO C1でCybercodeの実機デモが動いてました.これは学生の頃,喉から手が出るほど欲しかったやつ!


5月20日(金)〜22日(日)まで,東京・銀座 ソニービル8階 コミュニケーションゾーンOPUS(オーパス)にて体験会をやっているそうなので,興味のある方はぜひ足を運んでみてください.